8-14-20-DIP基板の試作と各種回路の試作(その1)            2014©nobcha

   

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at first

 8-14-20-DIP基板とはなんぞやというと PIC12F1822みたいな8ピンDIPや、PIC16F1823みたいな14ピンDIPや、PIC16F1829みたいな20ピンDIPのPICマイコンで共通に使えるICSPピン配置で設計したものです。これらのマイコンを使用した試作をするときに使いまわしできる基板を作るのがこのプロジェクトです。

 また、基板CADのEAGLEを一度試しに使ってみてプリント基板を作ってみたいなと思ったのもこのプロジェクトの動機となっています。

 ピン配置ですが当然ICSPの配置は決まっています。それ以外の信号ピンはまずはPIC16F1829を使ったときに回路が組めるようにしました。このなかでも8ピンのPIC12F1822はIOピンが5しかないので、それなりにジャンパ線も這わせながら使いまわしすることになりそうです。


  pin

 以前PIC16F1827用の試作回路用基板を作った際、搭載回路として載せた回路ブロックを参考にし次の信号線端子や回路ブロックを基板に載せることにしました。

 ①ICSPヘッダ:これは基本

 ②4ビット接続でSC1602型LCD:裏からでも、表からどちらへもコネクタ出せるような信号ピン番配置にします。

 ③LCD用負電源:ニッスイ電池2本駆動を主に採用しています。2.5V程度の低電圧でもLCDを動かすため、マイナス電源をPWM信号で駆動するチャージポンプとしてECCP3を使う。

 ④シンプル周波数カウンタ用アンプなど:タイマー2でゲート時間を決め、タイマー1をプリスケーラ付きでカウンタとして使えるような構成の簡単な周波数カウンタ回路を搭載。AMP部は表面実装、入力端子用にSMAコネクタパッド。

 ⑤RTC-8583の搭載:ジャンクパーツで買ったRTCをi2c接続で使います。バックアップ電源対応でも使えるようにしておきます。表面実装。

 ⑥水晶発振子、タクトスイッチを3個。

 ⑦3端子レギュレータも搭載できるようにする。

 ⑧i2c信号線をピンヘッダで出せる。

 ⑨高性能温度湿度センサSHT-11を使えるよう接続ピンヘッダを備える。

 以上のような回路ブロックをPIC16F1829で使えるようにします。また、PIC16F1823でも一部利用できるように配慮します。PIC12F1822となるとICSP利用が主となりジャンパ線でi2cを使うことにします。

 このような欲張った考えで検討したピン配置です。当初PIC16F1829のMCCP2を使うつもりでしたが、潜在バグのせいか使えなかったので、パターンカットジャンパ線接続でMCCP1でi2cに切り替えます。ピン配置計画は次のようになりました。

pin


 次にPIC16F1829を使用した際の全部載せ回路図が次になります。順次一部のブロックを使いながら試作を進めていきます。MSSP2->MSSP1のパターンカット・ジャンパとRTC-8583の10pFが追加です。

 

 












































pcb

eagle

 今までPCBEとか水魚堂のMBEなどを使ってパターン設計をしたことがありますが、今回は回路図入れると自動配線までやってくれるEAGELの採用です。2014年で最新版だった6.5.0をダウンロードしフリーの契約で使いました。

 EAGLEでは回路図シンボルと実装用パターンが無いと始まりません。まずはPIC16F1829の20ピンDIPパターンを探しました。これはMICROCHIP社のCAD用データサービスを利用して入手しました。次のような手順になります。

----------Microchip社とAccelerated Designs Inc.は協力し合ってマイクロチップ製品のユーザに対して回路図記号図表記やPCBのフットプリントを提供します。回路図記号図表記やPCBのフットプリントは中間フォーマットで用意され、Ultra Librarian Readerによって主流のEDA CAD/CAE設計ツールで使えるようになります。詳しくはUltra Librarian on Accelerated DesignsのWEBを参照下さい。Cadence Orcad Capture Cadsoft EagleがEAGLE用のデータのようです。-------

①Microchip社のサイトでCADデータサービスのページへ行きます。表の1番上にあるUltra Librarianのインストーラをダウンロードしインストールします。
②必要な部品のBXLファイルをダウンロードします。今回の場合はPIC16F CAD/CAE Schematic SymbolsのZIPファイルです。(解凍すると.bxlファイル)

③解凍したBXLファイルをダブルクリックすればUltra Librarianが起動します。画面でCADソフトを指定して(今回はEAGLE)、スクリプトファイルを作ります。

④次にEAGLEを起動します。ボードエディタ画面でFILE→EXECUTE SCRIPTで、作ったスクリプトを実行します。部品シンボルのライブラリができあがるのでLIBRARY->USEでライブラリー登録します。

 これでPIC16F1829の20ピンDIPパッケージのデータや回路図でのブロックが入手できました。

 次に各社ライブラリーを探してもなかったRTC-8583のライブラリーです。こちらは同じパッケージのフットプリントを探し出し、回路図シンボルは自分で作ってみました。

 以上の準備をした後は既存ライブラリーやインターネットで公開されているライブラリーを利用し回路図を作成します。

 回路図ができると今度は手持ち部品を確認しながらパターンに落とし、最後はエイやっと自動配線しました。しかし自動配線では、当然つながらないところ多数。しこしことRatsnestコマンドを使い、オートルート、エラーチェックをいったりきたりで手動配線していきます。

 FUSIONのサイトにはEAGLEのライブラリーとか、デザインルール(2レイヤの場合)やらCAMプロセッサ(2レイヤ)やらがありますので、これらもダウンロードしデザインルールチェックを行いながら作成します。

 一番最後にはシルク印刷見やすくするためSMASHコマンドを多用しないといけないのですが、このコマンドなかなか言うことを聞きません。いやになりシルクはごちゃごちゃのままで放置してしまいました。その替わりに後で組み立て時の部品挿入では苦労することになってしまいました。急がば廻れですね。

 FUSIONのCAMプロセッサを使うので変換したガーバーデータは大丈夫、間違いのないはずですが、操作ミスなどもあるので、注文出す前にガーバデータビュワーでデータの仕上がりを確認しておきます。商用ソフトながら、ガーバーデータビュア部だけならフリーであるVIEWPLOTをダウンロードし使いました。

vieplot

基板製造はFUSIONで

  
 自作マニアの味方であるFUSIONで作りました。9.9$+送料という費用で5枚できます。PAYPAL払いで決済し、ガーバーフォーマット送ると数日で基板は完成し、その後2週間近くかかって深せんからシンガポール経由に行ってAIR便でやってきました。


 
   
   
 
simple

 新PICで手始めはLチカですが、その次のレベルとなる試作となるとこの簡易周波数カウンタではないかと思います。タイマー1と2を使い、割り込みで動くので、PICの基本機能の使いまわしが確認できる応用回路です。今までPICシリーズマイコンでいくつの方式を作っているので、それらの中で少しは高い周波数までカウントできるプリスケーラ読み出し機能付きのカウンタを移植しました。始めはINTOSCにしましたが、結構表示がふらふらし、精度もいまいちなので、今回の基板で用意してあった水晶発振子のパターンを使いHS発振にしました。これで安定になり、JYEのDDS式ファンクションジェネレータFG-085の周波数ふらつきぐらいが見えるようになりました。

 先に載せた全体回路図の中で必要部だけを実装します。カウンタでは入力部に表面実装の2SC3356を使います。パターン設計が良くなく、表面実装のTRやRを半田付けするのはなかなか手ごわいです。

pcb

 プログラムの方は以前のPIC16F1827版を流用しさくっとできました。メインLCD制御LCD制御用ヘッダからなっています。

 こんな感じでDSO QUADの試験信号(8MHz矩形波)をカウントしてみました。

count
 
 

scan

 i2c回路を試作したとき、まず回路が動くかのチェックにはアドレス出してみてackが返ってくるかをみるというアドレススキャンを重宝します。今回初めてRTC-8583を使うんですが、買った時ついていたカタログにアドレスが書かれていず、アドレススキャンやってみて0xA0であることが判りました。最終的にアプリケーションマニュアルが必要になり、その中にはちゃんと書かれてましたが。 (0xA0と0xA2が指定できる)

 プログラムとしてはメイン部MSSP制御部MSSP制御部ヘッダLCD制御部LCD制御部ヘッダからなります。

 このプログラムを走らせたときにMSSP2が動かず、MSSP1しか使えないことが判明し、パターンカット、ジャンパ線で信号端子を入れ替えMCCP1へと切り替えることにしました。

 パターンには補正用10pFを忘れてました。無くても動作はするので後から追加します。

addscan
 
end

 如何でしょうか。ここまでではLCDとかi2cの基本部分が動いたところですが、この後色々使いまわして試作を進めたいと思います。

  このページの続編でクロック(時間表示)や温湿度計付きクロックやPIC16F1823やPIC12F1822使用例の回路類を紹介していく予定です。

 この試作はnobchaが自身の趣味で作成したものです。動作について保証するものではありません。本説明ページ、回路図、基板パターン、プログラムなどには著作権があります。取り扱いにご注意ください。
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