かけがえの無いメモ書き

(原著者Petteri Aimonenさん了解で日本語ページ作成しました)  

 
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  デジタル入力の周波数応答を改善

 ワタシは以前にDSO QUADのデジタル入力についている保護ダイオードD5は間違った選択だと申し上げました。ダイオードの閾値電圧が5Vで恐ろしいぐらいの容量値です。この容量が信号帯域を悪化させ、閾値電圧も高いのでなんとも保護になってません。

 幸いにもこのダイオードをはずせば、簡単に直せます。このブログではDSO QUADを開けてダイオードを取り除く方法を示します。更にこのデジタル入力修正でどの程度の電圧まで大丈夫かを調べてみました。

ハッキングしてみよう

バッテリーをはずす

ねじの位置

フロントパネルのはずし方

ケースを開けます

基板を取り外す

ダイオードの位置

半田付け

裏蓋を取ってばらす


 DSO QUADのばらし方は簡単で、4本のフィリップス#1ねじとクリップで止められているのを外します。

 

 

 

 

まずは裏蓋をスライドし、バッテリーを取り出します。そして四隅にある4本のねじをはずします。

 

 

 

 ベゼル下部に指のつめを入れ、すべらせフロントパネルをはずします。これは意外と簡単。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後は底部からやさしく押し出し基板を取り出します。操作ボタンが壊れぬように力を掛けすぎないでください。


 

 

 

ダイオードのはずし方


スクロールボタンのそばにD5があります。

 

 

 半だコテで暖め、基板から注意深くピンセットなどの怜悧な工具を使ってダイオードを引き上げます。


 

フロントパネルを元に戻します

 

  再組み立て


 基板をケースにおきます。プラスチックの操作ボタンキャップがちゃんとした位置にあるか確かめます。電源スイッチがノブの位置と正しく合っているかを注意します。

 このとき、画面をきれいに拭けるチャンスです。フロントパネルの下部に指紋を残さぬようにします。そして定位置にはめ込みます


 4本のねじを締め付けます。バッテリーを入れてカバー締めれば終り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガーボネータ−版を試してみましょう

 

これで安全なの?


 保護ダイオードを取るなんてチョット心配してませんか。しかしながら、次のDSO QUADのデジタル入力部の回路図見てください。

 外付け保護ダイオードは電圧が5Vになるまで無意味です。なぜならばFPGA(ほとんどのCMOSと同じく)は内部に保護ダイオードを備えていて、回路が壊れないようなこう電圧にならないようにしております。

 これを確かめるべく、ダイオードを取り去った端子に線を半だ付けしました。これでFPGA端子と並列に信号を引き出し、FPGAのデータシートにある最大定格電圧-0.5Vから3.6Vと比較することができます。

 ワタシは-7Vから+24VまででC、Dチャンネルを試しました。両チャンネルは独立に動作します。

 この試験に拠ればワタシの機械では-7vから+24Vで壊れなかったし、最大定格電圧を越えませんでした。正電圧側はずいぶん余裕があります。デジタル入力で1Vより下が0レベルとなるので、マイナス電圧はともかく用はありません。ひとつ意味があるのはRS232信号を測るときぐらいです。

 絶対安全を狙うなら、D5をBAT54Aに替えるのが良いでしょう。それなら、負電圧側も扱え、容量も低くてすみます。

周波数帯域はどうなるか?


 FPGAのデジタル入力部容量は6pFになります。これだと-3dB帯域は2.4MHzになるが、デジタル入力なら10MHzまで使えるでしょう。おそらくUSB1.1の12Mbpsなら測れると思います。

 参考のために18MHz5Vp-p矩形波を加え、ひとつはデジタル入力で、もうひとつをアナログ入力にして比べた写真が次になります。



−Petteri Aimonen 4/11/2012

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Email: Petteri Aimonen <jpa@hm.mail.kapsi.fi>

抄訳 by nobcha@2012

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