PIC12F683のULPWUEを使う低消費電力消灯検知LED照明制御の実験

                                                      nobcha(c)2011

1.初めに

 さて、PIC製作の先駆者ブログをのぞいていると就寝時点灯(c) 電子マスカットというのがありました。電子マスカットさんが555で作った照明消灯時に光るLED照明回路の外部仕様をそのままにPIC12F683のILPWUE機能を使用して待ち時間の低電力消費を目指したnatuさんの試作です。http://www.mars.dti.ne.jp/~m7030/index.html

 これに触発され、nobcha版リメイクを行いましたので、報告します。。

 この機能はマイクロチップ社の下記のアプリケーションノートでも説明がされています。

http://ww1.microchip.com/downloads/en/AppNotes/00879D.pdf

 PIC12F683のGPIO0だけにあるULPWUE機能で低電力(Vdd:3.0VでIdd:0.15μA)SLEEPさせます。そして800m秒毎にIOC機能のチェンジオン割り込みで起動しフォトトランジスターの電圧をADCで取得、照明が消えて暗くなったことを判定しチョッパ駆動で白色LEDを点灯しようというものです。

 実用的には就寝時などに照明消しベッドに倒れこむまでのわずかな時間だけ、補助照明をつけると言うアイデアです。

2.消灯検知LED照明制御路の実験仕様

項番 機能 説明
1 PIC12F683のGPIO0特有ILPWUE機能で待つ PIC12F683特有のSLEEP時(Vdd3.0Vで消費電流0.15μA)に動く微小定電流放電回路(常温で135nA)によりコンデンサーのチャージ(0.033μFのフィルムコン使用)が無くなると(0.58V以下になると)チェンジオンインタラプトで割り込みかけて、ウェイクアップします。(約0.8秒)
2 消灯検知 フォトトランジスタ(NJL7502L)を10kオームエミッタフォロワで動かし、GPIO2からADCで読み取ります。20ルックス以下(15μA)以下で平均値より3μA以上の減少があると消灯ありと判断。
3 白色LED点灯 電源電圧はニッケル水素3本、あるいは2本とし、GPIO1に接続した2SC2458をチョッパ駆動してDCブーストにより5V以上を発生し、白色LED2本直列を点灯する。5秒ぐらいで減灯(間引き駆動)しながら消灯します。
4 デバッグ デバッグ時にはi2c接続液晶にADC値、平均値を表示して検知スレッショルドを決めるのに使います。

 

3.回路構成・回路図

@PIC12F683を使用。

A部屋の明るさ検出はフォトトランジスタNJL7502Lを使用する。

B照明用LEDはOSPW5111B-QR(Vf3.0−3.2V、If=30mA,7000mcd)を直列2本で使う。

Cデバッグ用にはストロベリーリナックス製のLCDモジュールを使用する。

 回路図は水魚堂さんのBSchを使いました。また関連記号類も利用させていただきます。公開された作者さん達のご努力に感謝いたします。http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm

 

3.ソフトウェアの構成

 プログラムはHI-TECHのCを用いて記述します。MAIN部と引き込むDelayヘッダが必要です。デバッグ時には液晶表示関数そのヘッダi2c制御関数、そのヘッダも使いました。

 

4.実験結果

 待ち受け中のGPIO0端子の電圧波形です。GPIO0は外部につけた0.033μFの電荷を135nAという低い一定電流で放電します。電圧が閾値の0.58Vになるとコンパレータが動いてIOC0電圧変動割り込みが掛かります。割り込みでSLEEPか抜け出し、PIC12F683はADC電圧を取得。4回平均値を記憶しており、ADC値が005以下で、平均値との差が2以上有ると暗くなったと判定します。5以下でも変動が2未満では暗くなったという判定は行いません。

 実験中のLCD表示です。机の上で字が読めなくなるぐらいの明るさが005ぐらいです。部屋の照明を消すと001ぐらいになります。

 さて電源電流は設計通りに低くなっているでしょうか。デバッグ用のLCDを抜いて、i2c信号用のプルアップ抵抗も抜いて、テスターで測定してみました。秋月テスターのμAレンジで0.1μAと言う表示になりました。このような低電流でSLEEPしてますが、割り込みで直ぐに立ち上がります。

 

5.ユニバーサル基板

 身の回りで使ってみようとユニバーサル基板にしてみました。暗くなった後にムダ点灯しないようにしたため、物陰になった場合と、照明消灯した場合の区別が付きませんので、テーブルの真ん中においてあります。

全体目次に戻る                             2011/10/5  nobcha  10/25修正

アイコンは「牛飼いとアイコンの部屋」からの提供。ありがとうございます。

 

inserted by FC2 system