焦電型赤外線センサーとPIC12F675を使った人間検知LED照明制御回路の実験

                                                      nobcha(c)2011

 1.初めに

 夜間に人が近づいたらLEDを光らせるという回路を試作実験してみます。焦電型赤外線センサーというのはセラミック基板上に赤外線が放射されると分極を起こす。その電圧を取り出すという原理らしいのですが、信号出力に癖があるセンサーのように思います。

 センサーの出力電圧は低いので、かなり増幅しないとPICで扱えるようになりません。 

人間検知LED照明制御回路の実験仕様

項番 機能 説明
1 人を検知して夜間ならLEDを光らせる 焦電センサーの変動を検知した時、フォトダイオードが暗い場合約5秒間LEDを駆動する
2 人の検知 焦電センサーに検知電圧が発生した場合にPICポートが変動し、検知タイマーを働かせる
3 昼夜間の検知 フォトダイオードの電流による電圧降下をPICのポートで監視し約0.5V(負荷10kΩ)以下なら暗い
4 LED駆動 ニッケル水素電池2本で動作させ、白色LEDを点灯するためインダクタをスイッチング駆動するDCブーストでLED駆動用電圧を得る

 

2.回路構成・回路図

@日本セラミックのRE210汎用型デュアル素子を採用する。1

APIC12F675のコンパレータ入力で焦電型赤外線センサーの信号を取り込む。電源電圧をニッケル水素充電池2本で2.6Vとした時、コンパレータの閾値設定可能最低値が約0.1Vとなるので、焦電型赤外線センサーの出力電圧(数mV)を100倍以上程度までに増幅必要。

Bアンプとして推奨回路などを参考にLM358を採用する。20倍x2、0.5Hz〜10Hz帯域。

C部屋の明るさ検出はフォトトランジスタPS1101Wを使用する。

D照明用LEDはOSPW5111B-QR(Vf3.0−3.2V、If=30mA,70000mcd)を2個使う。

 回路図は水魚堂さんのBSchを使いました。また関連記号類も利用させていただきます。公開された作者さん達のご努力に感謝いたします。http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm

 

3.ソフトウェアの構成

 プログラムはHI-TECHのCを用いて記述します。MAIN部と引き込むDelayヘッダが必要です。

 

4.実験結果

 手初めに手元のシングルオペアンプ(TA75S01)を使った1段増幅では不足でした。赤外線センサー自体がかなりの時定数をもっているのかして、動作が不安定です。やはりメーカの推奨回路にあるようにLM358を使用して2段400倍ぐらいまで増幅する必要がありました。

 ということでLM358を追っかけ買い求め実験を続けました。

 電源LEDに0.5mA流していますが、消費電流は1.5mA,照明LED駆動時に5mAという結果になりました。PICKIT2接続では電源が5Vとなり、LEDのVfは定格3Vのため電流が異常にながれるので、ブレッドボードでは書き込まず、WSNAK基板上で書き込み、PICをこちらに持ってくるというやり方にしました。

 

 このブレッドボードのようにRE210裸では数十cm近づかないとなかなか思うように検知してくれません。RE210の検知窓にはフレネルレンズが必要なようです。次のアキバ買出しまで、フレネルレンズ効果のほどはお預けです。

 

*1:情報リンク先の著作権者は日本セラミックです。

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