焦電型赤外線センサーとPIC12F683を使った人間検知LED照明制御回路の実験

                                                      nobcha(c)2011

 1.初めに

 夜間に人が近づいたらLEDを光らせるという回路を試作実験してみます。焦電型赤外線センサーというのはセラミック基板上に赤外線が放射されると分極を起こす。その電圧を取り出すという原理らしいのですが、信号出力に癖があるセンサーのように思います。

 PIC12F675で試作したものをPIC12F683で追試してみました。 

人間検知LED照明制御回路の実験仕様

項番 機能 説明
1 人を検知して夜間ならLEDを光らせる 焦電センサーの変動を検知した時、フォトダイオードが暗い場合約5秒間LEDを駆動する
2 人の検知 焦電センサーに検知電圧が発生した場合にPICポートが変動し、検知タイマーを働かせる
3 昼夜間の検知 フォトダイオードの電流による電圧降下をPICのポートで監視し約0.5V(負荷10kΩ)以下なら暗い
4 LED駆動 ニッケル水素電池2本で動作させ、白色LEDを点灯するためインダクタをスイッチング駆動するDCブーストでLED駆動用電圧を得る

 

2.回路構成・回路図

@日本セラミックのRE210汎用型デュアル素子を採用する。*1

APIC12F683のコンパレータ入力で焦電型赤外線センサーの信号を取り込む。電源電圧をニッケル水素充電池2本で2.6Vとした時、コンパレータの閾値設定可能最低値が約0.1Vとなるので、焦電型赤外線センサーの出力電圧(数mV)を100倍程度までに増幅必要。

BアンプとしてLM358を採用する。400倍、0.5Hz〜10Hz帯域。

C部屋の明るさ検出はフォトトランジスタPS1101Wを使用する。

D照明用LEDはOSPW5111B-QR(Vf3.0−3.2V、If=30mA,7000mcd)を直列2本で使う。

 回路図は水魚堂さんのBSchを使いました。また関連記号類も利用させていただきます。公開された作者さん達のご努力に感謝いたします。http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm

 

3.ソフトウェアの構成

 プログラムはHI-TECHのCを用いて記述します。MAIN部と引き込むDelayヘッダが必要です。

 

4.実験結果

 赤外線センサー自体がかなりの時定数をもっているのかして、動作が不安定です。秋月のキットなどと同じく、メーカ推奨回路にあるLM358を使用し2段500倍程度まで持ち上げる必要がありました。

 電源LEDに0.5mA流していますが、消費電流は1.45mA,照明LED駆動時に5.6mAという結果になりました。インダクタの駆動周波数は約200kHzでした。命令8MHzなので平均10サイクルでインダクタ駆動が回っていることになります。バッテリーが2.4Vぐらいまで低下するとLEDが思うように光らなくなります。緑LEDはLED点灯状態のモニター用であり、GPIO2を使っています。回路図に載っていませんが、プログラムにはあります。

 フレネルレンズを使うともっと感度が上がると思いますが、この状態では10〜20cmぐらいまで近づかないと点灯しません。それはそれで使い道があるかと思います。単三を3本入れる電池ケースに電池2本と回路を入れ、ケースを磁石でドアに貼り付けるなどと言うアイデアを暖めています。

 

*1;この情報リンク先の著作権者は日本セラミックです。

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