nobchaの電子回路日記のブログ                         2011.01.23

 

1.単三電池1本でLEDを駆動する2石NPN回路

 PICを使う電子回路作りが不調なので、ちょっと趣向を変え、単三電池一本で、昇圧回路でLEDを駆動する回路を試作して見ました。 今までNPN/PNP組み合わせ2石方式、1石でトロイダルコア使用する方式を手がけました。今回はNPN2石を使うマルチバイブレータ方式です。いわゆ るフリップフロップのたすきがけ回路が基本で、片方の負荷をインダクタンスにし、一定時間後に電流が安定すると状態が変わるというものです。

 

2.まずはLTSPICEで確認

 この回路方式はEDN誌の別冊 deign ideas1の18ページに記載されていました。いつものようにフリーのSPICEであるLTSPICEの力をお借りし手持ち部品でも動作するかどうかを確認します。

 最後に表面実装回路を組むことを考慮してインダクタは手持ち100μHを使い、トランジスタは定番の2SC1815を使います。

 

 

 大体44kHz(22.5μS)ぐらいで発振するようです。100mAぐらいのピーク電流が流れますが、デューティ20%ぐらいの3角波なので、LEDに流れる平均電流は10mAぐらいと思います。

 ところで、こうした発振回路シミュレーションでのこつはインダクタンスへの直列抵抗パラメータ入力でしょうか。インダクタンス値を指定する際に忘れず、直列抵抗値も入れないとシミュレーションが収束しない時があります。

 

3.ブレッドボード実験

 LTSPICEで当たりが付いたので、次はブレッドボード実験です。TRは2SC2458です。このTRは2SC1815をシュリンクしたTRとの話を聞いておりますので、LTSPICE通りに発振すると思います。

 インダクタは当初部品箱に100μHが見当たらず、とりあえず22μHと5.6μHを直列にして見ました。でもこの通り発振します。 光らせるのは高輝度φ5白色LEDです。OSPW5111B−QR(If=30mA,IfMAX=100mA、7000mcd)というものです。           

この後100μHインダクタに変えて周波数を測定すると約50kHz,バッテリー電流は25mAとなりました。

 

 

4.続いて表面実装基板

 続いて表面実装部品を用いコンパクトにまとめます。トランジスタは手持ちの中で旧日立製定番トランジスタ2SC458とチップ等価品とい われる2SC2462Lを使用します。インダクタは太陽誘電製の100μH。LEDはシャープ製の緑色LEDにします。 GM5GC01200AC:If60mA,If70mAMAXというものです。

 PCBEで部品並べ方パターンを事前に検討してから半田付けします。

 

 表面実装ユニバーサル基板をはさみで切った上へビルディングブロック式で組み立てを行います。

  

 

 テスターに付いたカウンタで発振周波数を測定すると大体が45kHzぐらいになり、バッテリー電流としてはニッケル水素充電池1.25Vで27mAぐらい流れます。

 

5.部品表

 表面実装基板を使う試作で用意必要な部品は次の通りです。(ダイオードは適当な表面実装部品の手持ちが無く1S1588を用いました)

  表面実装2石1.5V駆動LED点灯回路部品表
記号 部品名 メーカ、パーツショップなど
1 Q1,2 2SC2462LC 日立製、鈴商など
2 D1 1S1588 東芝製、千石電商など
3 LED GM5CC01200AC シャープ製 、秋月電商など
4 L1 LEM4532T101K 太陽誘電製
5 R1 1.5kΩチップ抵抗 千石電商など
6 R2 330Ωチップ抵抗 千石電商など
7 R3  68Ωチップ抵抗 千石電商など
8 R4,5  680Ωチップ抵抗 千石電商など
9   単三バッテリーケース 秋月電商など
10 表面実装基板 秋月電商など

                by nobcha 2011

 

 

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*EDN誌はリード・ビジネス・インフォメーション株式会社が発行する技術雑誌です。

*LTSPICEはリニアテクノロジー社が提供する回路シミュレーションソフトウェアです。”http://www.linear-tech.co.jp/designtools/software/”

*回路図は水魚堂が提供するBsCH、及び関係の部品データを利用しました。”http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm”

*基板パターンは高戸谷 隆さんが提供されているPCBEを利用しました。”http://www.vector.co.jp/vpack/browse/person/an012256.html”

*アイコンは「牛飼いの部屋」からの提供です。”http://www.ushikai.com/”

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