nobchaの電子回路日記ブログ                                     nobcha(c)2010

 

戻るニッカドバッテリー1本でLEDを光らせる(TR2石)

2010.09.11

 

はじめに

 最近照明用にLEDが使われるようになってきました。LEDを光らせるには2〜3Vが必要でまた、電流制限抵抗も必要になります。これをニッケル水素充電池1.3V1本で光らせる回路を試作します。トランジスタ2石で発振させ、インダクタをONOFFし発生する逆起電力を利用して昇圧し、LEDが発光動作できる電圧を得るというものです。

 

シミュレーション

 リニアテクノロジー社がフリーの回路シュミレータを提供しています。LT社部品中心のSPICEモデルが付いていてすぐ使える便利なものです。LT社提供以外のデバイスを使うにはWEBに公表されているSPICEモデルが使えます。また標準的な素子なら他の互換品でも流用できますので、WEBで探すと代表的デバイスのものは入手できます。

 ということで、2SA1048と2SC2458をたすき掛けにした発振回路の実験を行います。手もちインダクタなどの部品を利用した回路試作を進める前にシミュレーションをやってみましょう。LTSPICEをダウンロード・インストールして、SPICEモデルを探してきてはじまりはじまりです。

 LTSPICEを起動して回路図エディタでTRとかRCL部品類をお絵かきします。とりあえず適当にパラメータも入れて、RUNすると動作波形が得られます。

 これは面白い、やってみたいと思われた方はLTSPICEのダウンロードや、使い方などが各種WEBで簡単に情報が得られます。先駆者の方が情報発信しておられます。まとめておきましたのでご参考にしてください。

 とりあえず今回の場合はトランジスタは2SA1048,2SC1815にして回路を入力しシミュレーションしますと・・見事に発振します。またLEDを光らせるのに十分な電圧をも発生します。これは便利です。

 

ブレッドボードで実験

 回路図ですが、次のようになります。トランジスタはたまたまジャンク箱から見つけたもので、汎用品でOKです。インダクタはアキシャルリードの10μHがあったので使いました。 回路図

 次にブレッドボードで動かしてみます。LEDは品名が不明の桃色っぽいものです。結構明るいです。

基板を作成

 

 

 では次に基板を作ってみます。本格的なエッチングではなく、表面実装なので手彫りです。まずは回路図です。表面実装のトランジスタやインダクタはアキバで、抵抗コンデンサはオークションで買い集めたものです。秋月、千石、鈴商を回れば大体入手可能なものです。

   

パーツリストは次の通りです。

 

波形観測

 最終表面実装基板での波形ではありませんが、ブレッドボード実験中に簡易オシロ(ADCオシロ)で見た波形です。オシロの帯域とサンプリングレートが低いのでリンギングがどこまで見えているか?ですが、こんなものかなと思う波形です。

osziFOXビュワーはHRA!さんから提供いただきました。ダウンロードサイトは次です。

http://www5d.biglobe.ne.jp/~hra/software/oszifoxviewer/index.htm

実用化アイデア

 今回はちょっと大きい目表面実装LEDを使った基板でしたが、3216チップ程度のLEDもあります。小さいLEDで基板配置を工夫して単三バッテリーの断面円形まで小さくしてみるとか、単4(単5?)と組み合わせFRISKケースに入れるとか・・色々と楽しみはあります。

 

この内容はnobchaが趣味の範囲で実験したことなどを書きとめています。本件内容を保証するものではなく、実施される場合はご自身の責任でお願いします。また、著作権がありますので、ご注意ください。

全体目次に戻る  その他目次に戻る

アイコンは「牛飼いとアイコンの部屋」から提供受けました。ありがとうございます。

inserted by FC2 system